幕末維新の年表は、さまざまな出来事が起き、複雑となっています。 このページでは簡略的な年表を作成し、大まかな歴史的事件を取り上げ、時代背景を漠然とでも把握できるようにしました。 詳細な年表を記せば、下記に示した年表の何百倍にもなるでしょう。 それほどまでに幕末維新の時代は激動であり、日本存亡の危機をはらんだ死闘の連続だったといえます。 尊攘派、公武合体派、開国派、勤王派、佐幕派などさまざまな派閥が複雑に抗争を繰り広げ、国政の主導権を争いました。 憂国の想いが熱い有志たち全員が、夢見て目指した日本の行く末は、明るい日本であったことは確かです。 幕末維新の年表は、まさにそんな有志たちが輝かしい日本の理想郷を目指して激突した痕跡なのです。 日本史の中で、国の存亡を賭けて凄まじく戦い合った年代は、幕末維新であり、最も意義深い年代です。 日本の興亡の責任が当時の志士たちの双肩に重くのしかかっていたからこそ、彼らの一挙一動にまで重要な意味をはらみ、 他の日本史年代にはない、独特の重みと魅力を発してやまないのです。 幕末維新の有志たちの行動が、日本の歴史にどう影響していったのかを読み解き知ることこそ、彼らの憂国の功績に敬意をはらうことと なるでしょう。 |
西暦(年号) | 日本国内の出来事 |
1853年(嘉永6年) |
6月■アメリカ東インド艦隊司令官・ペリーが軍艦四隻を率いて浦賀に来航す。 7月■ロシア使節の極東艦隊司令官・プチャーチンが長崎に来航す。 |
1854年(安政元年) |
1月■ペリー再来航す。 3月■吉田松陰が密航に失敗し、萩の野山獄に送検される。 日米和親条約が調印される(下田・箱館が開港す。) |
1855年(安政2年) |
10月■安政の大地震が起こる。 藤田東湖が震災で圧死す。 堀田正睦が幕府老中首座となる。 |
1856年(安政3年) |
2月■蕃書調所が設立される。 7月■アメリカ総領事・ハリスが日本に着任する。 8月■吉田松陰が松下村塾を開く。 10月■将軍継嗣問題が表面化する。 |
1857年(安政4年) |
5月■下田条約調印。 6月■幕府老中・阿部正弘が死去す。 10月■アメリカ総領事・ハリスが将軍・家定に謁見する。 |
1858年(安政5年) |
4月■井伊直弼が幕府大老の職に就く。 6月■日米修好通商条約が調印される。 将軍継嗣問題は次期将軍に徳川家茂に決定される。 9月■井伊直弼による安政の大獄が始まる。 |
1859年(安政6年) |
6月■横浜が開港す。 8月〜10月■安政の大獄による断罪が行われ、吉田松陰、橋本左内らが刑死す。 |
1860年(万延元年) |
1月■幕府の軍艦・咸臨丸が太平洋を横断す。 3月■桜田門外の変が起き、幕府大老・井伊直弼が水戸浪士らに討たれる。 |
1861年(文久元年) |
2月■対馬事件が起こる。 10月■孝明天皇の妹・和宮さまが将軍・徳川家茂に降嫁す。 |
1862年(文久2年) |
1月■坂下門外の変が起こり、幕府老中・安藤信正が負傷す。 4月■土佐藩家老・吉田東洋が暗殺される。 薩摩藩主・島津久光が藩兵を率いて、京都に上洛す。 寺田屋事件が勃発す。 7月■”天誅”が京都市中で横行す。 8月■生麦事件が勃発す。 12月■会津藩主・松平容保が京都守護職に就任し、京都に入洛す。 長州藩の高杉晋作らによって、イギリス公使館が焼き討ちされる。 |
1863年(文久3年) |
3月■将軍・徳川家茂が京都に上洛す。 5月■長州藩が外国船打ち払いを断行す。※攘夷の実行。 尊攘派から開国派となった公卿・姉小路公知が暗殺される。 6月■高杉晋作が奇兵隊を結成する。 7月■薩英戦争が勃発す。 8月■天誅組の乱が起こる。 8・18の政変が勃発す。※尊攘派の七卿が都落ちす。 10月■生野の乱が勃発す。 京都警備の新鋭部隊・新選組が誕生す。 |
1864年(元治元年) |
3月■フランス公使・ロッシュが日本に着地す。 天狗党の乱が勃発す。 5月■幕府施設・神戸海軍操練所が設立される。 6月■池田屋事件が勃発し、新選組が一躍、名を馳せる。 7月■佐久間象山が斬殺される。 蛤御門の変(※別名・禁門の変)が起こり、薩摩・会津両藩VS長州藩が御所を囲んで激戦す。 戦いの結果、長州藩が敗北す。 幕府が第一次征長の役を起こす。 8月■欧米諸国が結託した四国連合艦隊により、下関が攻撃され、長州藩は大敗す。※下関戦争。 |
1865年(慶応元年) |
5月■土佐勤王党の頭目・武市半平太が処刑される。 坂本龍馬が薩摩藩の支援を得て、亀山社中を設立す。 |
1866年(慶応2年) |
1月■坂本龍馬の活躍で薩長同盟が成立す。 寺田屋にて坂本龍馬が幕吏らに襲撃される。 6月■幕府が第二次征長の役を起こす。 7月■14代目将軍・徳川家茂が病没す。 12月■15代目将軍に徳川慶喜が就く。 攘夷佐幕派の孝明天皇が崩御す。 |
1867年(慶応3年) |
4月■坂本龍馬の亀山社中が土佐藩の支援を受けて、海援隊と改称す。 6月■坂本龍馬が『船中八策』を作成す。 7月■中岡慎太郎が土佐藩の支援を得て、陸援隊を結成す。 10月■幕府が朝廷に大政奉還を奏上す。 朝廷から討幕の密勅が下る。 11月■坂本龍馬・中岡慎太郎が見廻組に襲撃され、暗殺される。 12月■朝廷から王政復古の大号令が発せられる。 |
1868年(慶応4年〜明治元年) |
慶応4年1月■鳥羽・伏見の戦いが勃発し、 官軍VS旧幕府軍が激戦す。結果、官軍が勝利す。※戊辰戦争が始まる 慶応4年3月■官軍側の西郷隆盛と旧幕府側の勝海舟が話し合い、江戸無血開城が成る。 慶応4年5月■奥羽越列藩同盟が結成される。 上野で官軍VS彰義隊が戦い、官軍が勝利す。 慶応4年7月■江戸を東京と改称す。 慶応4年8月■官軍VS会津藩軍の戦いが始まる。※会津戦争。結果、会津藩が降伏す。 明治元年9月8日■年号を慶応から明治へと改元し、一世一元の制を定める。 |
1869年(明治2年) |
1月■薩長土肥の四藩主が版籍奉還を上奏す。 横井小楠が暗殺される。 5月■五稜郭にて共和制を布いていた榎本武揚ら旧幕府軍が明治政府に降伏す。 9月■明治政府高官・大村益次郎が暗殺される。 |
1870年(明治3年) | 10月■土佐藩出身の岩崎弥太郎が三菱の前身九十九商会の運送業を 始める。 |
1871年(明治4年) |
1月■明治政府の参議・広沢真臣が暗殺される。 7月■廃藩置県が断行される。 11月■岩倉使節団が欧米へ出発す。 |
1872年(明治5年) |
3月■御親兵を廃止し、近衛兵を設置す。 8月■学制を制定す。 |
1873年(明治6年) |
1月■太陽暦を採用す。 徴兵令を布告す。 7月■地租改正令を実施。 10月■西郷らが主張する征韓論が大久保ら富国強兵論に敗れる。西郷らは政府役職を 辞し、下野す。 |
1874年(明治7年) |
2月■江藤新平を盟主とする佐賀の乱が勃発す。 明治政府が台湾へ出兵す。 4月■板垣退助が土佐にて立志社を設立す。 |
1875年(明治8年) |
6月■新聞紙条例を定める。 9月■江華島事件が起こる。 |
1876年(明治9年) |
10月■熊本の地で神風連の乱が起こる。 秋月の乱が起こる。 11月■萩の乱が起こる。 |
1877年(明治10年) |
1月■西郷隆盛を盟主とする西南戦争が起こる。 5月■維新三傑の一人・木戸孝允が病没す。 9月■維新三傑の一人・西郷隆盛が官軍に大敗し、自刃す。 |
1878年(明治11年) | 5月■維新三傑最後の一人・大蔵卿の大久保利通が暗殺される。 |