雲井 竜雄
くもい たつお
1844-1870
享年27歳。

名称:本名は小島守善、通称、竜三郎。
    変名は小島行正、桂香逸。
身分:米沢藩士。

□幼少の頃から秀才の誉れを得て、江戸遊学を成す。
  江戸で安井息軒の門下となり、多数の志士と交遊
  する。

□その後、探索方となり、京都藩邸に詰め、諸藩の有志
  たちと交遊し、見識を広げる。

□戊辰戦争の際には、薩長の藩閥政府を批判し、越後
  で官軍と交戦していた米沢藩軍に合流する。
  この時に雲井が提出した「討薩檄」は有名である。
  徹底抗戦を主張しつつも雲井自身は直接は戦闘に
  参加せずに主に諜報活動を行った。

□米沢藩が降伏するに至ると雲井は米沢に帰藩し、
  謹慎の身となる。しかし、翌年には明治政府より
  集議院寄宿生に任命され、上京を果たす。

□徴士・貢士として明治政府に仕え、数多くの意見書を
  政府に提出したがそのことごとくが受け入れてもらえ
  ず、失意のうちに役職を辞任した。

□その後、雲井は失禄者の慰撫や新政府への出仕を
  勧める目的を掲げて「帰順部曲点検所」を組織する。
  だが、裏では新政府に不満を抱く不平士族を募り、
  密かに反政府組織を拡大する計画を立てる。
  ついで、薩長専制に反発して、政府大官暗殺計画を
  立てたが政府の知るところと成り、捕縛される。

□1870年、反政府組織・暗殺計画などを成した罪に
  より、斬首された。
  雲井が残した詩は、多くの人々から感銘され、広く
  知られている。